院試にすべるなら きっと

しつこいだろうか。シーズンがら、昨日の日記タイトルに不吉なものを感じた感受性豊かな方々が多数いらっしゃるかもしれない。しかし今日のタイトルを見て分かる通り、改めるつもりは全くない。そんなものに負けちゃだめだよ。ついに僕の院試は火曜だ。日記からするとそんな印象はないのかもしれないけども、数学不得手な僕が進むのは統計の分野です。歴史研究やジャーナリズム、批評の世界に憧れてはいるんだけどね。運と才能(運も才能も同義か?)が必要な世界ですから…。かといって決して諦めているわけではない。

ゆめにっき

そんなくだらない試験を控えた僕が昨日からハマってるゲームがこれだ。

究極鬱ゲー『ゆめにっき』
http://www3.nns.ne.jp/pri/tk-mto/

別途RPGツクール2003ランタイムも必要
http://www.enterbrain.co.jp/digifami/products/rpg2003/2003rtp.html

少しプレイしただけだが偉そうにレビューしてみる。

主人公の少女があてもなく夢の中をただ彷徨うだけのゲーム。つまり「現実的」にはベッドと机とベランダを行き来するだけ。でも少女がひとたびベッドに入れば3秒で、そこは果てなく広がる夢幻世界。のび太級の寝付きのよさだ。シュールでメルヘンでグロテスクでかつ可愛いグラフィックとアンビエントな音楽が、非同一的で非論理的な「スレスレの世界」に浸らせてくれる。「目的のなさ」「意味のなさ」「悪気のなさ」「やる気のなさ」「やるせなさ」「位置感覚のなさ」それから「ゲームタイトルの素っ気なさ」など、いろんな「なさ」がじわじわと背後から迫ってくるようだ。ヘッドホンプレイ推奨。万人には非推奨。

ところで、こういう空気感(空虚感)の演出はフリーソフトの弱点を逆手にとった見事な手法だと思う。なんせ制作者に人手が足りないのだから、身の詰まったハッピーでエキサイティングなゲームなんて、いくらやる気や才能があってもそうそう作れるものではない。それに、明るい調子の曲を作るのは、暗いものより遙かに難しい。僕も中学生のころにRPGツクールをいじったことがあるからよくわかる。だからこの『ゆめにっき』もその例に漏れず、素人作品的な「スカスカの世界」なのである。とは言っても実際僕はグラフィックのクオリティは高いと思ってるし、決して貶しているつもりはない。僕はこれが十分褒め言葉になると確信している。フリーソフトの制約条件のもとに「夢の世界」という設定を持ち込むことで、この手の弱点をうまく昇華させているのがこの作品だからだ。負のエネルギーの逆利用。まるで合気道のようだ。

それからゲーム中ずっと気になっているのが、突然追いかけてきて、捕まると脱出不能の部屋(牢獄?)に閉じこめる「鳥の仮面の女」。あれはきっと少女の中の何かの象徴なんだろうと考えてはいる。このオチはエンディングまで楽しみにとっておこう。

現在エフェクト6個:「かえる」「鬼」「ロングヘアー」「ブロンド」「めだまうで」「こびと」