テレビショッピング陰謀説

テレビショッピングの番組をぼーっと見ていて確信した自然法則がある。
「婦人服は一番大きいサイズから順に売り切れる」

今回、この一見不思議な現象*1を説明できるいくつかの仮説を用意した。

  1. 購買層の大多数は太ったオバサンである
  2. 購買層はB系の着こなしを目指している
  3. はじめから在庫が少ない

この中ではおそらく仮説1と3がもっとも有力であろう。検証するという手もあるが、仮説1は想像するだけでもおぞましい。一方で、仮説3を今一度吟味してみる。何かひっかかりを感じないだろうか。いつも即完売するくらいなら、もっと在庫を用意しておけば儲かるはずだと思わないだろうか。

今日になって、私はこの違和感を解消できる回路を見つけた。そう、これは販売戦略なのだ──売れ筋でない大きいサイズの商品をわずかな数だけ用意しておけば、そのサイズは即完売になる可能性が高い。当然、売り切れ報告が相次ぐ。妙齢のMCはここぞと「注文が殺到しております!お急ぎください!」といつもの煽り文句を入れ、見えない舞台裏の闘争を演出する。ヒートアップしてゆく場の空気にあてられた真のターゲット、つまり標準体型(Mサイズ)のご婦人はつい商品の購入を焦ってしまう。ハンター達はそんな女性の心理をよーく知り抜いていて、Mサイズの在庫をたんまり隠し持ちながら、死に筋商品を生贄にした精巧なこのトラップに、獲物がかかるのを今かと待ちかまえているのである。

──あくまで私の勝手な憶測、邪推ですよ、奥さん。

*1:ぼくらの世代の経験則とは真逆だ。人気の服はたいてい小さいサイズから順に売り切れる。